空間とは蜃気楼のようなものです。
陽の温もりや風の音、草花の香りや木石の肌ざわり。それらのゆらぎは目には視えないながらも、空間を構成するファクターとしてわたしたちを包み込みます。

建築のかたち、その色あいや素材の装いといった目に視えるものと、それら目に視えないものとをわたしたちの心というフィルターに通すことで、空間の広がりは果なく続いていきます。